ホームページを介して課題を抱える見込み客との接点を作る
お客様の声
千葉県習志野市に本社を置く高木ゴム工業株式会社は、飲料プラント向けゴム製品を柱とする創業65年のゴムメーカーだ。歴史に培われた高い開発力を武器に、食品衛生法の規格基準にも適合する高品質な製品など、企業の製造現場の悩みにこたえる製品を開発し続けている。2015年には佐倉市に2つ目の工場を設立。生産設備の拡大と同時に営業力の強化に取り組む、松﨑隆一社長に話を聞いた。
千葉県習志野市花咲2丁目2番16号
047-470-3561
飲料プラント向けのパッキンが約7割を占めます。飲料メーカーの品質管理はますます厳しくなり、工場で使われるゴム製品への要求も高まっています。加熱殺菌するため140度の高温に耐え、なおかつ機械を洗浄する薬品にも耐えなければならない。当社では、それらの厳しい要求にかなう製品を開発・製造しています。国内では希少な、大型サイズのパッキンを製造できる機械も保有しており、飲料プラント向けは高いシェアを持っています。
材料の配合から成型、出荷まで自社で一貫して行える点が最大の強みです。工場見学に来られたお客さまには、全ての工程を公開することで信頼していただいています。また、配合をゼロから考え材料を開発するため、どんな要望にも応えることができる。蓄積してきた配合ノウハウによって、他社には真似できない良い材料を多数持っており、素早い試作品の提供が可能です。最近の例では、アウトドアメーカーからの依頼で、氷の上でも滑らない靴底用ゴムを開発し、製品化に成功しました。
飲料プラント向け以外で、柱となる製品を確立することです。特に力を入れていきたいのは、塩素による劣化を防ぐ耐塩素ゴム、振動や音を吸収するタングステンゴム、食品製造用のシリコンスポンジ。いずれもお客さまのニーズや課題を基に当社で開発したもので、様々な業界、用途で広く活用していただくべく、営業を強化しています。
新規開拓専門の営業マンを一人置いています。まずゴムに関して現場で困っていることや課題を聞いて、それを解決できる製品を提案するのが当社の営業スタイルです。肝心なのは、いかにして困っている先を見つけ出すか。電話・メールでどんな問い合わせにも即座に対応する体制を整え、必要であれば訪問し、機会を逃さないようにしています。
以前のホームページは社内では全く手を加えられず、業者に更新を依頼する度に料金が発生していました。顧問の税務会計事務所さんに相談したところ、自社で簡単に更新できるBESTホームページを紹介され、切り替えを決めました。
飲料プラント向けが主力のゴムメーカーとして、クリーンで安心なイメージをトップページで打ち出しました。特に見ていただきたい「共同研究開発」や「事例」は、バナーで分かりやすく表示しています。「事例」では、これまで開発した製品について、発端となった課題から、当社の提案と取り組みの経緯を紹介。耐塩素など、ゴム製品で困っている人に解決策のヒントを見つけてもらいたいと考えています。
ホームページを新しくしてから、実のある問い合わせが増えました。ホームページをじっくり見て検討した上でご連絡いただくので、成約につながる確率が高まっています。中でも反響が大きいのは、事例でも紹介している味付け海苔スポンジ。食品衛生法に適合したこの製品を、味付け海苔の他、煎餅、ハンバーグのタレ付けなどに使いたいと、数ヶ月で5~6社から引き合いが来ました。一斉に開発をスタートし、現在、各社に合ったスポンジを作っているところです。
新規営業でアポを取って訪問してもなかなか中に入り込めません。ホームページを介して課題を抱えている人とつながり、問い合わせがあったところへのアプローチに力を入れていこうと考えています。どこにニーズがあるか、何がヒットするのかは予測が難しいので、成功事例だけでなく、製品化に至らなかった例や問い合わせだけで終わった例も含めて、できるだけ多くの情報をホームページで公開したい。営業担当者にも関わってもらい、フェイスブックも活用しながらタイムリーに発信していきたいと思います。
(インタビュー・構成/アイ・モバイル 川上 陽子)
株式会社TKC発行のビジネス情報誌「
戦略経営者」に掲載された連載記事を掲載しております